くるくるランドが閉園した。
みんなで遊んだアトラクション、入っちゃいけないとこに入って怒られた猫のこと、まくすむのあだ名をもらったこと、ここには思い出がたくさんあった。
それ故に、みんなの気分は沈んでいた。
それでも、くるくるランド閉園の事実を受け容れない人がいた。
あくまでもちゃんと確かめてからでないと、そんな残酷なことを事実として認められないというのがスズの考えだった。
検証
くるくるランドのマスコットキャラクターのフローティングオーブ、通称「茶玉」。
蹴り飛ばすと一生くるくる回りだす茶玉のアトラクションがここのテーマパークの目玉だった。
くるくるランドに忍び込んだスズはゴミを見る目で茶玉をにらみ、そのまま蹴り飛ばした。
本当にくるくるランドが閉園したことをその目で見てしまったスズはマジ泣きをし、「開園しないと家に帰らない」と駄々をこねだした。
閉園の謎
みんながくるくるランド閉園を受け止めて悲しみに暮れるなか、アークと助手のモモカはくるくるランド閉園に疑問を抱いていた。
くるくるランドほどのおもしろいテーマパークをアークは知らない。ちなみに小学生のころのアークの夢はくるくるランドだった。
なぜ、くるくるランドは閉園したのか?
アークは考えられる可能性をあげることにした。
単純だが来場者数が減って赤字になったからだろうか、と考えていたところ。
直近の決算資料を手にしたモモカはアークが何を言うか分かっていたかのように赤字説を否定した。
黒字で続けられるのに続けられない理由があるという謎はアークの好奇心を刺激したものの、
頭をひねっていたアークだったが、ここで助手のモモカの顔がパッと明るくなった。
さっそくモモカことmmkの意見を聞こうとするアークだったが、別の人物がmmkに問うのだった。
アイスノンの鋭い質問に答えを伝える気が失せたmmkは渋々口を開いた。
くるくるランド、Hな展開、便座。
アークの頭に新しい情報が刻まれ、思考のパズルが進む。
今持っているすべてのピースが組み合わさり、答えが導き出されようとしていた。
情報は出し尽くしたようにも思われたものの、アークは怪訝そうな顔で言った。
あとひとつ、そのピースが分かれば答えにたどり着けるのにそこへたどり着かない。
絶望しているアークを見たmmkが口を開いた。
発想を逆転させる。
その言葉が今まで持っていたアークの考えを破壊し、今まで見落としていた全てのチャットがアークの頭に蘇ってきた。
まるで走馬灯のように蘇ってきたチャットがアークのなかでひとつの答えとなった。
それは、こういうことだった。
アークの仮説
アークの仮説はこうだった。
くるくるランド園長のもとにある組織の人物二人が訪れ、こう言った。
そう、ある組織とは指定暴〇団の苦羅院組だ。
組の二人は、なにやら相談をし、園長にくるくるランドを閉園するように言った。
そして無理ならその代わりに、と近くの眼鏡屋を指さした。
そこの眼鏡屋にはサングラスという商品名の中古の便座がかなりの額で並んでいた。
あまりの値段とひろこの使った便座の臭さに驚いた園長は、ぶるぶると震えていた。
それを聞いた組員は
そう言って、園長の持っていた米ドルを勝手に売り払い、ついでに園長の服もひっぺがした。
園長は苦羅院組の乱暴な行いに屈して、土下座をした。
苦羅院組によるくるくるランドの閉園、これがアークの出した答えだった。
真相
自分の仮説を早口で語ったアークは、夢中になって語ったことに恥じらいを覚えて口を開いた。
全てを聞き終えたmmkはまっすぐアークを見つめて言った。
アークの仮説は全くの見当違いだった。
見かねた別の人物が口をはさむ。
ふたりが固唾をのんでアイスノンを見つめる。
アークは自分の好奇心にフタをして、全て忘れることにしたのだった。
くるくるランドは閉園しました。
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