アステルリーズ雇用局vsアステルリーズ裁判所

それは、一通のDMから始まった。

 

 

送り主はボケ、もといランプちゃんだった。

 

ランプちゃんはみんなを楽しませたいという思いから、ドッキリの企画をひろこに相談してきた。

  

この相談をされている時点で、仕掛け人として誘われていることを理解したひろこは当然その誘いに乗った。

 

 

会議を何度かした後、ドッキリの内容は「サブキャラで変なチームを作って雇用局に因縁をつける」というものに決まった。

 

 

 

このアイデアにランプちゃんも驚きを隠せず、「天才」という言葉を使ってしまうほどであったが、そういった反応に対して調子に乗らないひろこの反応は極めて控えめだった。

 

 

ちょうどこのとき、少し前まで体験で加入していたるねまるがサブで雇用局に加入したいという話があったので

 

 

 

サブまる(茜音)加入イベントも兼ねることになった。

 

こうしてサブキャラのレベルが低すぎてチームが作れない二人に代わってサブまるに「アステルリーズ裁判所」を作成してもらった。

 

さらにサブキャラでゼンムラビ法典(ひろこ)と半ムラビ法典(ランプちゃん)が爆誕。

 

 

ひとまず準備ができるところは進めたものの、まだまだやることは山積みだった。

 

ここから、一番大事になってくるイベント当日の設定づくりがはじまる。

 

ざっくりとした流れは、雇用局のブログをパラワン島から密輸入した中毒性の高い脱法ブログであると難癖をつけて、アステルリーズ裁判所側ででっちあげた「ブログ及び向精神文書取締法」で取り締まるというものに決定。

 

オチは、雇用局側に罰則としてサブまるを加入させることとし、イベント開始までの1週間、裁判所側は雇用局を立件するための立法作業に追われた。

 

※一部抜粋

 

雇用局を取り締まるメインウエポンは、ブログ及び向精神文書取締法第五条になった。

  

第五条 ジアセチルブログ、その文章又はこれらのいずれかを含有するブログ(以下「ジアセチルブログ等」という。)は、何人も、輸入し、輸出し、製造し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、交付し、閲覧し、所持し、又は廃棄してはならない。ただし、ブログ研究施設の設置者が厚生労働大臣の許可を受けて、譲り渡し、譲り受け、又は廃棄する場合及びブログ研究者が厚生労働大臣の許可を受けて、研究のため、製造し、小分けし、施用し、又は所持する場合は、この限りでない。

 

さらに雇用局員に追撃をするためのサブウエポンとして、イベント当日に参加しそうなメンバーの余罪リストを作成。

 

※一部抜粋

 

あらかた準備が終わり、以降は仕事が終わったあとに三人で集まって演技の練習を毎日していた。

 

イベント前日の日、仕掛け人側で設定や台本を入念に確認し、あとはイベント開始を待つだけとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裁判所内では、2月23日の22時~23時半のイベントに向けて士気が高まっていた。

 


2月23日23時 イベント開始から1時間経過

 

 

 

端的に言って、ガンスベりしていた。

 

それでも三人はみんなを楽しませたいというその一心で、あきらめずに台本を確認して再起を図る。

 

 

 

台本には誰のセリフかわかるように、それぞれの役にアルファベットがふられていた。

 

茜音(サブまる)がけろに近寄り、脱法ブログの主成分とされるジアセチルブログの検査を実施する。

 

 

 

けろはBRG検査が陽性反応となり、ブログ中毒者であることが確認された。

 

 

半ムラビから脱法ブログの危険性について説明を受け、大半が中毒者である雇用局の面々は、自分のしてしまったことに対して後悔をしているようだった。

 

ここでゼンムラビ法典が、けろの腕をとり袖をまくった。

 

 

そこには、けろが雇用局筆頭のブログ中毒者だという証拠があった。

 

 

その夥しい数の注射痕に、裁判所側はざわつきにざわついた。

 

時は満ち、風が吹く。

 

雇用局員けろは脱法ブログの異常な量の使用を言い逃れることはもはや不可能となり、完全に追い込まれたのだった。

 

 

 

けろは裁判所側の会話を聞いている間、じっと遠くの方を見つめていた。

 

その姿は自分のしてしまったことに向き合うことの恐怖から目をそらし続けているようにもみえた。

 

それでも、自分の人生に正面から向き合おうと決心したからだろうか。

 

終始黙秘権を行使していたけろが、ついに口を開いた。

 

 

 

静まり返る近距離チャットをよそに、雇用局チャットは動いていた。

   

 

 

 

 

雇用局側の「いつまでやるんだこれ?」の空気の中、裁判所側も打ち合わせをする。

 

 

  

このドスベリした地獄の状況下で、裁判所側は団結していた。

 

一度、三人で走り出したと決めたときから絶対に脱線はしない。

 

三人に迷いはない、それは三人で走ると決めたレールなのだから。

 


イベント終了後

 

 

 

 

結局、当初の予定を無事脱線し、余罪の読み上げのほか大部分の台本を中断して、イベントを強引に終わらせた。

 

 

  

あまにゅんの拉致刑が執行猶予された少しの時間にひろこは台本と設定集を削除した。

 

  

日の目を見なかった消えゆく台本たちを前に、裁判所組は泣いていた。

 

あまにゅんはそんなことに意も介さずに、この日は軽めの罰に終わった三人を誘導した。

 

 

そう言って、荒々しく牢の扉を閉めた。

 

 

大きな音をたてて、扉が閉まる。

 

その牢屋の床は、スベりたおしたイベントの空気よりも冷たかった。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です